絶景と温泉 緑島

台湾 台東 緑島に渡る(18)

「環島公路へ戻る」
柚子湖から坂を登って「環島公路」へ戻り、再び時計回りの方向へ進んでゆくとこんもり盛り上がった地形が海へ突き出ており、その尾根上に歩道が整備されていたので、その歩道を辿ってみることにしました。綺麗な弧線を描く入江は海参坪と称し、この海参坪付近の海に浮かぶ大きな岩はパグ犬や眠れる美女に例えられているのだそうですが、どれが犬でどれが美女なのか。ここでその譬え表現に異論を挟むことはやめておきます。尾根道のどん詰まりには、東屋が建つ見晴らしの良い展望台(観景亭)になっており、島の東海岸を一望することができました。岩礁にぶつかってできる白波が、青と緑の景色にアクセントを与え、清々しい色調のトリコロールを形成しています。右も左もひたすら同じような海岸線が続き、正面を向くと太平洋の大海原が果てしなく広がるばかり。高台から海洋を眺めているので、海がわずかに円弧を描いているように見えます。潮風にあたりながら東屋で休んでいると、崖の下の方から茶色く大きな物体が上がってくることがあります。ヤギが崖の草を食んでおり、ヤギ達は草を求めて崖を上がってきます。飼われているのか野良なのかわかりませんがよほど人馴れしています。この展望台から眺める景色は、単に美しいのみならず緑島において人々の営みは島の西側、台湾本島に向いているということを教えてくれます。ワインディングが続く島東側の「環島公路」を南下してゆくと島の南部で海へ向かって一気に下ります。いくつかの小さな集落を通過すると、やがて「朝日温泉」へたどり着きます。

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