絶景と温泉 緑島

緑島で出会う絶景と癒やし|環島公路と朝日温泉の旅

緑島「環島公路」の絶景ルートを歩く旅
海参坪と観景亭の魅力

台湾の離島「緑島」は、まるで時間がゆっくりと流れているかのような、静けさと自然の力強さが共存する特別な場所です。たとえば、島の至るところに広がる手つかずの自然は、訪れる人々の心を洗うような清々しさを持ち、風に揺れる草花や鳥のさえずりが日常の喧騒を忘れさせてくれます。さらに、地元の人々の穏やかな笑顔とゆったりした生活リズムが、観光地とは思えない居心地の良さを演出してくれるのです。そうした空気に包まれていると、まるで別世界に迷い込んだかのような感覚に陥ります。

特に、島をぐるりと一周する「環島公路(かんとうこうろ)」は、まさに心を揺さぶる絶景の連続です。たとえば、道の両側には広がる青い海と緑深い山々が織りなす風景が広がり、歩を進めるたびに表情を変える自然が旅人を飽きさせません。このルートでは、柚子湖から登る坂道を経て、再び環島公路へ戻る過程の中で、さまざまな風景や島特有の生き物たちと出会いました。そして、観景亭からの眺めは、まるで島全体を包み込むような壮大さで、見る者すべての心に深く刻まれる美しさを持っていました。その瞬間の記憶が今もなお熱を持って蘇ってくるのです。

海参坪の入江と不思議な岩の形に出会う

パグ犬と眠れる美女?ユニークな岩の形の謎

時計回りに進む環島公路を歩いていると、島の東側にふと現れるのが「海参坪(かいじんへい)」の入江です。そこはまるでぽっかりと自然が開けた空間のようで、海からの風が心地よく吹き抜け、つい立ち止まって見入ってしまいます。視線を巡らせてみると、周囲にはなんとも不思議な形をした岩たちがあちこちに点在していて、その一つひとつがまるで物語の登場人物のように見えてくるのです。たとえば、ある岩はまさにパグ犬の横顔にそっくりで、愛嬌たっぷりにこちらを見つめているよう。別の岩は、なだらかな曲線がまるで寝ている女性の肩のラインのようで、その柔らかさに名前をつけたくなるような親しみを感じました。

こうした自然の造形に対して、自分なりのイメージを重ねてしまうのは、きっと人間の持つ豊かな想像力の一部なのでしょう。たとえば、雲を見て「動物の形に見える」と言ったり、木の枝の形に何かを見出したりするのと同じで、自然と対話するようなその瞬間は、なんとも言えない心のゆとりをもたらしてくれます。そんな風に遊び心を持って自然と向き合っていると、どこかで張りつめていた気持ちがふっと軽くなって、気がつけば心の中にちいさな笑いが生まれている――それが、旅先で出会う“かたち”たちの魔法なのかもしれません。

尾根の歩道から望む曲線美

海参坪を包み込むように続く尾根道には、しっかりとした歩道が整備されていて、軽めのトレッキング気分が味わえます。高台から見下ろしたとき、入江の輪郭がゆるやかな弧を描いて海に溶け込んでいくあの瞬間——あれは忘れられない。まるで大自然が描いた一筆書きのアート。シャッターを切るたびに、「今、この景色を見られてよかったなあ」って、胸の奥がじわっと温かくなります。

海と岩礁が織りなすトリコロールの絶景

入江の中に広がる岩礁。そのゴツゴツとした岩に、打ち寄せる波が白く弾けて、まるで絵の具をぶちまけたような鮮やかな風景。青い海に、山の緑、白い波。そこに空のブルーが加わったら、もう言葉が出ない。こんなにもシンプルなのに、こんなにも感情を揺さぶる色の組み合わせって、あるんですね。

観景亭から見渡す緑島の全貌

島の東海岸を一望できる展望台

尾根道を進んだ終点にある東屋「観景亭(かんけいてい)」。そこに立った瞬間、ほんとに「うわぁ…」って声が漏れました。視界いっぱいに広がる海岸線、そして果てしない太平洋。水平線がほんの少しカーブして見えたとき、ああ、地球って丸いんだなって、理屈じゃなく身体で理解した気がしたんです。

崖下から現れるヤギたちとの遭遇

ベンチで風に吹かれながらぼーっとしていると、視界の端で何かが動いたんです。そっと覗き込むと、なんと崖の下からヤギがぬっと現れる(笑)。最初はビックリしたけど、草を食べながら平然と近づいてくる様子に、なんとも言えない可愛さと癒しを感じました。飼われてるのか野生なのかよく分からないけど、こういう「自然と共に生きてる感」がたまらないんです。

島の生活が向いている方向を感じる場所

観景亭からの景色って、ただの絶景じゃないんですよ。島の西側を見れば、そこに家々が並んでいて、「あ、こっちが生活の中心なんだな」って感じる。だからここは、島の地理と人の暮らしがリンクして見えてくる、不思議な場所なんです。

環島公路を南へ|朝日温泉への道のり

ワインディングが続く海岸線ドライブ

観景亭を後にして、環島公路をさらに南下。道はどんどんくねっていって、右に海、左に山。風を切ってバイクで走ると、体中で「旅してる!」って実感できます。あの感覚、クセになります。どこまでも続く道と、潮風のにおいと、遠くから聞こえる波の音…それだけで心が満たされていくんです。

小さな集落を抜けて島の南部へ

道沿いには、小さな集落がぽつぽつとあって、誰かが畑仕事をしていたり、軒先で魚を干していたりする光景に、ぐっと惹かれました。そこには観光パンフレットには載らない、リアルな緑島の「日常」がありました。こういうのを見ると、「旅しててよかったなあ」ってしみじみ思うんですよね。

「朝日温泉」で心も体もリフレッシュ

道の先に待っているのは、緑島の名物「朝日温泉」。海のすぐそば、波の音をBGMに浸かる温泉って…もう最高以外の何物でもない。朝日に照らされながら温泉に入るという、ちょっと信じられないような贅沢がここでは当たり前のように味わえるんです。湯気の向こうに太陽が昇ってくる瞬間、疲れも不安もぜんぶ洗い流されていくような気がしました。

まとめ
緑島の自然と人々の営みに触れる旅

環島公路を歩くという体験は、単なる観光の枠を超えた、もっと深い内面的な旅のようでした。たとえば、海参坪に点在する風変わりな形の岩は、長い年月をかけて自然が刻んだ芸術作品のようで、そこに立つだけで大地の息吹が伝わってくるのです。そして、観景亭から見下ろす大パノラマの景色は、どこまでも広がる海と空が一体となり、思わず息をのむような雄大さで包み込んでくれます。崖をよじ登るヤギたちのたくましさや、朝日温泉の湯けむりに包まれたときの心と体のほぐれ具合は、まさにこの島でしか味わえない貴重な瞬間でした。すべてが自然と人の共生というテーマでつながっていて、静かに語りかけてくるようでした。

だからこそ、もし今、日々の生活の中でちょっと息苦しさを感じていたり、何かをリセットしたいと感じているなら、この島をゆっくりと歩いてみることをおすすめします。たとえば、普段見過ごしてしまうような小さな花や風の音、遠くから聞こえる波のリズムが、自然と心の奥に染み込んでくるようになります。そして歩くうちに、自分でも気づかなかった心の揺らぎや疲れが、少しずつ癒され、静かに変わり始めることに気づくでしょう。そんなふうに、自分自身と向き合う時間がこの島にはあるのです。

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