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台湾は独立国 香港との違い

台湾と香港には違いがあります。 香港の歴史 香港はもともと中国南部の小さな漁村にすぎませんでした。 しかし中国(当時は清という名前)は1841年のアヘン戦争でイギリスに敗北し、イギリスに香港をとられてしまいます。そして、香港はその後約150年にわたるイギリス統治を経て、1997年に中国へと返還されました。150年の間、イギリスは香港を自由貿易港として整備し、貿易に関税をかけませんでした。そこへイギリス式の資本主義制度が導入されたわけですから、香港の経済は飛躍的に伸びたのです。だから1997年に中国に返還さ ...

台湾は独立国 中国との違い

中国と台湾の歴史をザックリまとめて紹介します。 1616年から1912年までの期間、中国には清という国でした。 清は大国でしたが、末期にはヨーロッパや日本と戦争をし、負け続けたくさんのペナルティーが課せられていました。具体的には、外国に領土を奪われる賠償金を支払うなどです。賠償金は、民衆の税金を増税し支払おうとします。民衆は清政府に不満を持ちはじめ、清末期には、民衆による大きな反乱がいくつか起きます。民衆の不満を背景に、孫文(中華圏では「孫中山」という名前で知られています)という男が立ち上がります。明治維 ...

民主独立国家 中華民国(台湾)

台湾で来年1月に行われる総統選で再選を目指す与党、民主進歩党の蔡英文(さい・えいぶん)総統が、これまで口にすることを避けてきた「中華民国」という台湾当局の公称に言及する場面が増えている。蔡氏が「中華民国」という名称を避けてきたのは、民進党の伝統的な支持層である「台湾独立」派に、蒋介石政権による弾圧の記憶が根強い「中華民国」体制への反感があるためだ。それがここにきて中間層や野党、中国国民党の支持層をも念頭にウイングを広げる戦術に転換し、支持者の切り崩しに対し国民党は警戒している。  「2300万人が台湾でと ...

台湾民主化へ

李登輝総統以後、徐々に民主化され、言論の自由を得て、やっと少しずつ、二・二八事件や白色テロ被害のことを語れるようになったとはいえ、事件における死傷者の数や、責任を負うべき人々などについて、まだまだ調査が必要である。だからこそ、“転型正義”が求められている。 台湾においては、蒋介石・蒋経国時代に行われた違法行為や人権侵害に対し、責任者の処罰や被害者の名誉回復・補償を行なう必要がある。2016年の選挙によって、台湾史上はじめて、総統も国会も台湾派が担うこととなった。 台湾人の期待を背に、蔡英文総統はスピードが ...

台湾人の台湾

1947年2月27日の事件から派生した民衆の抗議活動は台湾全島に広がり、「台湾人にも社会参画する権利をあたえよ」という正式な要求を行政長官に行うまでに至った。陳儀行政長官はそれに応じるかのようにふるまいながら、一方で中国大陸の蒋介石に救援を求める電報を打っていた。蒋介石はすぐに軍隊を台湾に差し向け、3月8日に上陸した中国兵は無差別に台湾人を殺し始めた。無実で無抵抗な台湾人を簡単に殺す中国兵こそが、「台湾人は中国人ではない」と証明している。 それにもかかわらず、日本人、外国人、台湾人のなかには、間違った「台 ...

中華民国(国民党)との対立

台湾理解を深める。ニニ八和平公園と記念館 総統府からも近い位置に、ニニ八和平公園と、ニニ八記念館があります。 ここも日本統治時代の遺産ですが、日本の統治が終わった1947年2月28日、新たに統治者となった中華民国(国民党)と民衆が激しく対立するニニ八事件が起こります。むしろ日本統治が終わってからの台湾にとって意味深い場所となっています。 「台湾を知る『ニニ八事件』) ニニ八和平公園(旧:台北新公園)ニニ八和平公園 日本統治時代に入り、都市計画の一環として造成され、1908年に開園。台湾初のヨーロッパ風近代 ...

親中派の台頭 馬英九総統の外交政策

「親中派の台頭」 馬英九総統の外交政策、対日戦略のブレーンで中華民国総統府国家安全会議諮問委員を務める楊永明台湾大学教授は、「日台間では相互に友好感情が存在するという基本認識です。台湾はおそらく世界で最も親日的な社会であり、日本でも台湾に対する好感が広範に存在しています。」としています。同じく中華民国総統府国家安全会議諮問委員(閣僚級、日台関係担当)を務める李嘉進は「日台は、通常外交では国益が基本ですが、日台は特別。お互いの好感度が抜群に高く、戦前からの歴史が育てた深い感情が出発点となっています。」として ...

中華民国の台湾統治政策

「台湾統治政策」 日本の理蕃政策と称された台湾原住民に対する統治政策は、原住民の教育水準向上に貢献し、法的には日本人や中国語系住民とほぼ同等の権利を認めております。 このように日本の台湾統治は、「武力蜂起は徹底弾圧」「インフラの整備」「日本人意識の植え付け」という特色を持っていました。これは西南戦争後の日本政府政策に酷似しており、日本は台湾を国内の一地方として捉えていたこと考えられます。 1942年には台湾で陸軍特別志願兵制度が始まり、1944年には徴兵制も実施された。約20万人余りの台湾人日本兵(軍属を ...

中国国民党の台湾への敗走

「中国国民党の台湾への敗走」 台湾では戦後、内戦に敗れた中国国民党とその軍隊が、大挙して台湾に敗走。中国国民党は反撃を国策とし、軍事を優先とした政策を実施したため、台湾のインフラ整備は後回しにされました。さらには新たに台湾に住みついた外省人を優遇し、古くから台湾に住んでいた本省人を弾圧(白色テロ、1947年に発生した二・二八事件はその最大規模のものである)したことから、本省人は「犬(日本人)が去って豚(外省人)が来た」「犬はうるさかったが番犬としては役に立った。しかし豚は食うばかりで役に立たない(日本人は ...

李登輝氏による台湾の民主化

「台湾の民主化」 1988年から2000年まで中華民国総統を務めた李登輝氏は国民党の独裁体制を廃し、台湾の民主化を進めました。李登輝の時代に監修された台湾の歴史教科書「認識台湾(歴史編)」では台湾史を本国史として扱い、日本の統治時代を重点的に研究されております。この「認識台湾」は陳水扁の民進党政権時代に削除されましたが、陳水扁総統引退後、総統になった李登輝氏は、台湾の独立を訴え、その中、国民党批判と日本統治政策の再評価を訴えております。 台湾における日本統治時代への評価は朝鮮に比べて肯定的であり、日本統治 ...

皇民化政策と霧社事件

「皇民化政策」 第二次世界大戦が始まると、皇民化政策により、多くの台湾人が日本人意識を持つに至っておりました。皇民化の背後には、台湾人のもつ漢民族的な風習・伝統・宗教に対する蔑視があり、台湾人の日本人に対する考えや、日本人の台湾人に対する優越意識はぬぐいきれず、戦後に持ち越されることになります。 平和的な印象の強い日本統治時代ですが、初期には統治に反対する武力蜂起がいくつか発生しました。武力蜂起は警察や軍隊により鎮圧され、蜂起に参加した者の多くは逮捕、もしくは処刑されています。 台湾原住民との間では日本統 ...

日本統治の功罪

「日本統治の功罪」 鉱山の開発や鉄道の建設、衛生環境の改善や、農林水産業の近代化などで台湾の生活水準は向上し、農工業の生産も増加しました。戦争になると台湾で生産された食料物資が内地へ供給されたほか、高雄の飛行基地建設や、徴兵制の導入など、日本人と同様に台湾人も兵士や労働力として活躍しました。1945年には衆議院議員選挙法が改正され、台湾から衆議院議員が選出される道も開かれましたが、日本の敗戦により実現しませんでした。また満洲国の運営や中国との折衝で台湾人が登用されるケースも多かったようです。 日本の統治に ...

中華民国政府は武力で弾圧 ニニ八記念碑

ニニ八記念碑 政府は武力で弾圧。不当逮捕や処刑、無差別発砲も行われました。その後も中華民国が台北遷都すると、38年に渡って戒厳令が引かれ、厳しい言論統制が行なわれた台湾では、このニニ八事件について公に語られることはありませんでした。公にこの事件が語られるようになったのは、戒厳令が解除される1987年以降になってからのことです。1996年2月28日、当時の台北市長陳水扁(後に中華民国総統)が公園の名称を二二八和平公園に改称し、二・二八事件で犠牲者を追悼する和平記念碑も作られました。

ニニ八記念館(旧:台湾放送協会 台北支局)

ニニ八記念館(旧:台湾放送協会 台北支局) 日本統治時代、NHK日本放送協会の台湾版として設立された放送局が、台湾放送協会(THK)。 台北支局の建物がニニ八公園の中に現存し、1996年になって、ニニ八事件や独立運動に関わる史料とともに「ニニ八記念館」として公開されています。ニニ八事件の当時には、中華民国政府が接収していましたが、民衆が占拠。ラジオを通じて、統治時代の台湾で暮らした台湾人なら誰しもわかる日本語で「台湾人よ立ち上がれ!」と呼びかけたのでした。

建築家近藤十郎の設計 西門紅楼

西門紅楼 台湾の若者が集まる西門町の駅のすぐ近くに、八角形のレンガ造りのレトロな建物があります。1908(明治41)年、台湾総督府営繕課に所属していた建築家近藤十郎の設計により、台湾初の公営の市場として建てられた西門紅楼です。裏手には、十字型の十字楼があります。 この西門町一帯は、旧来の台北の街の西側に、日本が新しい商業、娯楽街として開発した場所で、「西門町」という町名は、現在の地名ではなく日本統治時代の名残です。 1945年中華民国に移ってからは、主に劇場として、1960年代は映画館、老朽化のため一時低 ...