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紅毛城とは?台湾・淡水で歴史と夕日を楽しむ一日

淡水紅毛城とは?台湾の歴史を感じる観光名所


台湾北部、川と海が交わる淡水にある「紅毛城(こうもうじょう)」。見上げれば赤レンガの重厚な建物が静かに佇み、足を踏み入れた瞬間、まるで過去へワープしたかのような気持ちになります。ここはかつてスペイン人やオランダ人が築いた要塞で、台湾の植民地時代の息づかいを今も伝えてくれる、まさに“生きた歴史”です。今回はその紅毛城の魅力を、現地の空気を感じるように紹介していきます。

たとえば、紅毛城に足を踏み入れると、ひんやりとした空気とともに時の流れが一瞬止まったように感じられます。つまり、現代の喧騒を離れ、400年近く前の歴史に触れることができる特別な空間なのです。赤レンガの壁面や、当時の兵士が使っていたであろう見張り窓などのディテールを見ると、ここが実際に異国の勢力によって築かれた要塞であったことがリアルに伝わってきます。歴史の授業では味わえない臨場感が、この地には確かに存在しています。

淡水紅毛城の歴史と成り立ち

スペイン人による建設と初期の役割

始まりは1628年。スペイン人がこの地に「サン・ドミンゴ城」を築いたのがすべての始まりです。当時のスペインは、フィリピン経由でアジア進出に力を入れていた真っ最中。ここ淡水にも拠点を構え、貿易や布教のための重要な基地として使われました。つまり、紅毛城は単なる軍事施設ではなく、スペイン帝国が極東アジアに勢力を拡大しようとしていた戦略の一部でもあったのです。キリスト教の宣教師たちもこの城を拠点に活動し、宗教と交易の両面から地域に影響を与えていました。

実際に行ってみると、「なるほど、こんな地形なら守りやすいな」とか、「ここに砦を作りたくなる気持ち、ちょっとわかるかも」と思えるくらい、地の利がよく分かります。たとえば、淡水河が大きく蛇行して海へと注ぐ地点に位置しており、外敵の侵入を見張るにはまさに絶好の場所だったのです。さらに、標高の高い丘の上に築かれているため、四方を見渡すことができ、軍事的にも非常に優れた拠点だったことが現地に立ってみると実感できます。このように、地理的な条件と当時の国際情勢が見事に交差した場所が、紅毛城なのです。

オランダ統治時代と「紅毛城」の名称の由来

スペイン人が去ったあと、1642年にやってきたのがオランダ人。彼らはこの城を再整備し、実質的に今の紅毛城の形をつくったのです。つまり、オランダ統治時代こそが、紅毛城が要塞として本格的に機能しはじめた時期だったといえるでしょう。オランダ人はスペイン人の築いた基礎を活かしつつ、自らの軍事的・行政的な目的に合わせて建物を補強・拡張していきました。そのため、現在見られるレンガ造りの建物や高い塀、監視塔などには、明らかにオランダ様式の建築の影響が色濃く残っています。

地元の人たちは、赤毛のオランダ人を「紅毛(こうもう)」と呼び、城もそのまま「紅毛城」と呼ばれるように。つまり、異文化との接触が地名や建物の名称にまで影響を与えるほど、当時の人々にとって強烈な体験だったのです。西洋人と初めて出会った当時の台湾の人々の驚きや戸惑い、ちょっと想像してみると、なんとも胸がキュッとします。たとえば、初めて見る青い目や高い鼻、異なる言語や服装に戸惑いながらも、次第に彼らと関係を築いていった人々の様子を思い浮かべると、この地がどれほど国際的な交流の舞台であったかがよくわかります。

イギリス領事館としての役割と保存活動


その後、時代は19世紀へ。紅毛城はイギリスの領事館として使われることになります。外交や貿易の拠点として活用され、赤レンガの外壁や広々とした窓など、当時の西洋建築の名残がしっかり残っています。

初めて中に入ったときは、正直「台湾にこんな洋館があるの!?」って驚いたくらい。異国の香りがふわっと漂ってきて、つい時間を忘れて見入ってしまいました。

観光客に人気の見どころ紹介

城内展示と歴史資料の豊富さ

館内には、スペイン、オランダ、イギリスそれぞれの時代の文献や模型がぎっしり展示されています。昔の地図や絵画、日用品まで、まるで歴史のタイムカプセルを開いたよう。

言葉がわからなくても、ビジュアルで楽しめる展示ばかりなので、歴史がちょっと苦手な人でも「へぇ〜!」って何度も声が出ちゃうはずです。

展望台からの美しい淡水の景色

高台にある展望台に上ると、目の前に広がるのは淡水河と台湾海峡の大パノラマ。特に夕方の景色は息をのむ美しさで、誰かと一緒に見ると、なんだか言葉も少なくなるくらい。

「これが“台湾一美しい夕日”か…」と、心がスーッと浄化されるような感覚になります。カメラ片手にしばらく動けなくなる人、多いです(笑)。

周辺施設とのセット観光

紅毛城の近くには「小白宮」や「淡水老街」など、趣ある観光スポットがぎゅっと集まっています。坂道をのんびり歩きながら、昔ながらの街並みや屋台グルメを楽しめるのがいいところ。

特に老街の胡椒餅とか、カリッとしたエッグタルトとか…一口食べた瞬間「また来たい」と思わせてくれる味ばかりです。

淡水紅毛城へのアクセスと観光のヒント

MRTとバスを使った便利なアクセス方法

251 台湾 New Taipei City, Tamsui District, 中正路28巷1號
台北から淡水まではMRT淡水信義線で一本。「淡水駅」で降りて、歩いて10〜15分ほど。週末はけっこう混むので、朝早めの時間に訪れるのが賢い選択かも。駅からの道中も、どこかノスタルジックで歩いているだけで楽しいですよ。

入場料や開館時間の最新情報

入場料は大人で80元(日本円で約400円)とお手頃価格。これだけの歴史と風景が味わえるなら、正直コスパ最強です。月曜日は休館日なので注意!開館時間は朝9時から夕方5時まで、最終入場は16:30です。

訪れるのにおすすめの季節や時間帯

淡水は比較的温暖ですが、夏は湿度が高めでちょっとしんどい日も。個人的には春か秋がベスト。午後に行くと、赤レンガが夕日に照らされて、本当に絵になる風景が見られます。思わず深呼吸したくなるような空気感、ぜひ味わってみてほしいです。

まとめ
淡水紅毛城で台湾の多文化の歴史に触れる

紅毛城はただの“昔の建物”ではありません。スペイン、オランダ、イギリスという異なる国々の足跡が刻まれた、台湾の国際的な過去そのものです。つまり、ひとつの城に複数の国の歴史や文化が積み重なっているという点で、非常にユニークな存在なのです。かつては軍事拠点であり、時には行政の中心となり、またある時は外交の窓口としても使われてきたこの場所は、台湾の激動の歴史を静かに物語ってくれます。そして、赤レンガの温もりや、潮風に混じる懐かしい香り、地元の人たちのやさしい笑顔が織りなす空気感は、訪れた人の心をそっと癒してくれることでしょう。

次の台湾旅行、もし日程に余裕があれば、ぜひ淡水紅毛城を訪れてみてください。たとえば、台北市内からMRTで1時間もかからずに行けるアクセスの良さも魅力のひとつですし、周辺には淡水老街や夕日で有名な漁人碼頭など、一緒に楽しめるスポットもたくさんあります。つまり、単なる歴史探訪にとどまらず、グルメや自然、文化体験まで欲張れる日帰り旅が叶う場所なのです。きっと、旅の最後にふと「行ってよかったな」と思い出すような、そんな場所になるはずです。

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