屈原(くつげん)の人生にもう一度しっかり向き合ってみると、彼の物語は単なる一人の悲劇で片付けられるような軽いものじゃないと、しみじみ思います。あの人の姿には、国家と個人のはざまで揺れ動く人間の切なさや、理想と現実のあまりに苦いギャップが、痛いほど刻まれている気がするんです。 理想に生き、忠誠を貫こうとした屈原。それなのに、政治の腐敗に巻き込まれ、理解者を持たないまま追放されていく様は、読んでいて本当に胸が苦しくなります。あれほど真っ直ぐな思いを抱えていたのに、それが時代の中で受け入れられなかった…最終的に ...