知りたい旅先の情報発信

台湾の客家料理入門|上杭魚白から学ぶ伝統の味

台湾で味合う「上杭魚白(揚げはんぺん)」とは?
郷土料理・閩西菜の魅力

台湾旅行って、何よりも“食”が楽しみ!その中でも、最近ちょっとずつ注目されてきているのが「上杭魚白(シャンハンユーバイ)」っていう揚げはんぺんみたいな料理。これ、元々は中国・福建省の竜岩市あたり、いわゆる「汀州(ていしゅう)」という地域に伝わる郷土の味で、「閩西菜(ミンシーツァイ)」って呼ばれる料理群の一つなんです。

正直、初めて食べたときは「あ、これ何?」って思ったんだけど、一口でハマる人、多いです。外カリッ、中ふわっの食感と、ほんのり魚の旨味が広がって、何とも言えない安心感があるんですよ。

上杭魚白とは?福建の味が息づく揚げはんぺん

上杭魚白の基本|魚のすり身を活かした伝統的な揚げ物

「上杭魚白」は福建省の上杭県ってところがルーツで、主に淡水魚(ソウギョとかコイとか)をすり身にして、塩と片栗粉を混ぜてカラッと揚げた料理。見た目はちょっと楕円形で、サクッとした衣の中からふわふわの身が現れて、ほんとに日本のはんぺんをちょっと懐かしく感じる瞬間がある。

お弁当に入ってたらテンション上がるやつ。しかも、冷めてもちゃんと美味しいのがまたすごい。これ、地味にありがたい。

閩西菜の一部としての位置づけ|郷土色豊かな味わい

「上杭魚白」は閩西料理の中でもかなり存在感のある一品で、他の地域じゃあまり見かけない、独特な作り方が魅力です。閩西菜自体は、山間の地域で生まれた料理だから、キノコとか山菜とか、自然の恵みを活かした素朴な味が多いんだけど、それが逆に心に染みるというか。

現地の人にとっては、まさに「おふくろの味」。こういうの、一度体験すると忘れられない。

客家文化との関係|移民が育んだ食の伝統

実はこの「上杭魚白」、中国南部の客家(ハッカ)という民族の食文化から来てるんです。客家って、移動が多かった民族で、シンプルだけど栄養たっぷりな料理が得意。質実剛健って言葉がぴったり。

台湾にも客家系の人々がたくさん住んでいて、新竹や苗栗ではこの「上杭魚白」が当たり前にあるし、「あ、ウチの味だ」って言うおばあちゃんにも出会えたりするんですよ。なんか、それがまたいいんですよね。

台湾で食べられる上杭魚白と閩西菜の広がり

台湾への伝播|移民とともに伝わった味

19世紀後半から20世紀の初めごろ、閩西から台湾に渡った人たちが、この味をそのまま持ってきたわけです。客家小炒とかと一緒に、家庭の台所で、今でもちゃんと息づいてる。

台中とか台北の客家文化祭では、ちゃんと「上杭魚白」の屋台が出てたりして、行列できてることもあるんですよ。うまいもんは、時代も国も超えるなって思わされます。

台湾客家料理との融合|独自のアレンジが加わる

台湾らしいのは、現地の味覚に合わせてどんどんアレンジされてるところ。例えば、香りづけに台湾バジルを使ったり、甘めの醤油ダレをかけて食べたりっていうスタイルも人気。

夜市では串に刺して「揚げスナック化」されてることもあって、ちびっこから大人までパクパク食べてるのをよく見かけます。正直、ビールにめっちゃ合う。これは反則。

観光客に人気のスポット|食べ歩きに最適な場所

観光で行くなら、苗栗市が超おすすめ。週末マーケットでは揚げたてがその場で食べられて、熱々を頬張ると…もうね、顔が自然とほころぶ。

それに、昔ながらの客家建築を活かしたお店もあって、ちゃんとセットメニューにも「上杭魚白」が入ってるんです。観光と食がセットで楽しめるって最高じゃないですか?

閩西料理の魅力と他地域の違い

福州料理や閩南料理との比較|微妙な味のバランス

「福建料理」と一口に言っても、実はかなりバラエティ豊か。福州料理はわりと甘めの味付けが多くて、閩南は香辛料がしっかり。でも、閩西料理はその中間って感じで、塩気と旨味のバランスが絶妙なんです。

しかも、辛すぎず香りも控えめ。でも、なんか奥行きがある…って、不思議な感覚に包まれるんですよ。ちょっとクセになる。

ソウギョの刺身など他地域と異なる独自性

そしてちょっとびっくりなのが、閩西の中でも寧明県とか清流県では、なんとソウギョの刺身が食べられてるってこと。淡水魚の刺身って聞くと「えっ、大丈夫?」ってなるかもだけど、これが意外とイケる。

特にお祝い事なんかでは「今日は刺身出すよ〜」みたいな感じで、ごちそう扱い。地域によってこんなに違うって、面白いよね。

調理人の育成地としての汀州|料理人の故郷

汀州(今の長汀県)は、いわば「料理人のふるさと」。腕の立つ人がたくさん育ってて、伝統の味を大切にしながらも、健康志向とか現代のニーズに合わせてアップデートされてるんです。

例えば、揚げ物なのに油控えめにしたり、グルテンフリーの材料で作ったり。なんていうか、古き良きと新しさのバランスが絶妙。

まとめ
台湾で味わう閩西の伝統「上杭魚白」は
ローカル食文化の象徴

「上杭魚白(揚げはんぺん)」は、ただのローカルフードじゃない。福建・閩西の歴史や文化、移民たちの知恵と愛情がぎゅっと詰まった、そんな一皿です。

しかも、台湾ではその伝統が今もちゃんと受け継がれていて、新しい形で地元の人にも観光客にも愛されてる。だからこそ、台湾を訪れたときは、ぜひ市場や夜市、客家レストランでこの一品を試してみてください。きっと、ひと口で「ああ、来てよかったな」って思えるはず。

  • B!