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台湾の絶景駅「多良車站」の魅力とアクセスガイド

多良車站
海に一番近い秘境駅の魅力とは?

台湾・台東県に位置する「多良車站(たりょうしゃたん)」は、訪れた人々を思わず息をのむような美しい風景で迎える秘境駅です。例えば、青く広がる太平洋と緑豊かな山々が一体となって織りなす景色は、まるで映画のロケ地のようで、列車の窓からその絶景を眺めるだけでも旅の価値を感じさせてくれます。かつては地元住民が利用するだけの小さな駅に過ぎなかったにもかかわらず、その美しさがSNSなどを通じて話題となり、次第に多くの観光客が訪れるようになりました。

現在では「台湾で最も美しい駅」と称され、特に鉄道ファンや写真愛好家の間で聖地とされる存在になっています。たとえば、夕暮れ時には空と海が茜色に染まり、ホームに立つだけでまるで映画のワンシーンに入り込んだような気分が味わえます。さらに、駅の近くには観光スポットやカフェも点在しており、駅を訪れた後の散策も楽しめるため、単なる通過駅ではなく、目的地として訪れる人が増えているのです。

多良車站とは?
その歴史と役割

多良車站の開業とその背景

多良車站は、1985年に台湾鉄路管理局の南迴線(なんかいせん)の一部として開業しました。当初は地元住民の通勤や通学のためのローカル駅として機能していましたが、少子高齢化や交通手段の変化により、2006年に定期旅客営業が停止されました。つまり、現在は列車が停車しない「非営業駅」ですが、その美しさゆえに観光名所となった珍しい駅なのです。

「海に一番近い駅」と称される理由

多良車站が「海に一番近い駅」と言われるのは、ホームのすぐ目の前に広がる太平洋の絶景によります。目線の高さで海が広がり、電車の高架橋の奥に水平線が見える風景は、まるで空と海が一体化したような幻想的な景色です。特に夕方のサンセットタイムは、オレンジ色に染まる海と空が訪れる人を魅了します。

SNS映えするフォトスポットとしての魅力

現在、多良車站は若者やインフルエンサーに人気の「SNS映えスポット」として注目されています。特に、駅名標やトンネルを背景にした写真がInstagramや小紅書(Xiaohongshu)で数多くシェアされており、写真撮影を目的に訪れる観光客が年々増えています。地元の人々もこのブームを生かし、駅周辺にカフェやお土産店を整備しています。

多良車站へのアクセス方法と行き方

最寄り都市からのアクセス手段

多良車站へのアクセスは、主に台東市や高雄市からのルートが一般的です。例えば、台東駅からはバスまたは車で約1時間半の距離にあり、国道9号線を南下してアクセス可能です。また、高雄方面からは車で約3時間程度かかりますが、南部の海岸線をドライブしながら行くルートもおすすめです。

鉄道を利用する際の注意点

先述のとおり、多良車站は現在、列車が停車しない「非営業駅」となっています。そのため、直接列車で行くことはできませんが、最寄り駅である金崙駅または太麻里駅で下車し、そこからタクシーやレンタルバイクなどを利用してアクセスするのが一般的です。駅に停車するわけではありませんが、通過する列車を見ることができるため、鉄道ファンにとっても魅力的な場所です。

観光ツアーやレンタカーの利用

個人旅行で行くのが不安な方は、現地発の観光ツアーに参加するのも良い選択です。台湾国内では、台東や高雄から出発する1日観光ツアーがいくつか用意されており、多良車站のほか、太麻里や知本温泉などを巡るプランが人気です。また、レンタカーを利用することで自由度が高まり、周辺の隠れたスポットにも立ち寄ることができます。

多良車站周辺のおすすめ観光スポット

太麻里
日の出の名所として知られる町

多良車站からほど近い「太麻里(たいまり)」は、「台湾で最も美しい日の出が見られる場所」として有名です。特に「太麻里曙光園区」という展望台からは、太平洋から昇る朝日を一望でき、多良車站と併せて訪れる旅行者が増えています。自然の中で心洗われるような体験ができるエリアです。

金崙温泉
ローカルな癒やしの場

もう一つのおすすめスポットは「金崙温泉(きんりんおんせん)」です。金崙駅から車で数分の距離にあり、地元民に愛されるローカル温泉地として知られています。温泉宿や足湯スポットも充実しており、多良車站を訪れた後の休憩スポットとして最適です。温泉街の素朴な雰囲気も魅力の一つです。

台東の文化と食を楽しむ

台東市内には、台湾の原住民文化に触れることができるユニークな施設が点在しており、そのひとつが「台東原住民文化村」です。ここでは、例えばアミ族やパイワン族といった台湾に暮らす少数民族の伝統舞踊を見ることができ、色鮮やかな衣装や力強いリズムに心を奪われます。また、実際に伝統的な工芸品を手作りする体験も可能で、竹細工やビーズアクセサリーなどを通じて、彼らの文化や精神性をより深く理解することができます。このように、観光としての楽しさに加え、教育的な学びの要素がある点も魅力のひとつです。

さらに、台東の夜は地元グルメを堪能できる夜市巡りも見逃せません。たとえば、夜市では新鮮なシーフードをその場で調理してもらえたり、もち米を使った「アミ族もち」や、サトウキビジュースなどのローカルなスイーツも楽しめます。地元の人々との気軽な交流ができる場でもあり、観光客にとっては台湾のリアルな食文化を感じられる貴重な機会です。こうした夜市の賑わいは、台東の温かく素朴な魅力を象徴する存在とも言えるでしょう。多良車站での楽しみ方と注意点

ベストな訪問時間帯と季節

多良車站を訪れるベストシーズンは、天気の良い春から秋にかけてです。特に4月〜10月は晴天率が高く、海の青さが際立ちます。訪問時間としては、午前中〜午後3時頃までが写真撮影に最適で、夕方はサンセットの絶景を楽しむことができます。ただし、日差しが強いため、帽子や日焼け止めの持参をおすすめします。

駅周辺でできること

駅周辺には、展望デッキやベンチ、簡易的なカフェスペースが設けられており、ゆっくりと景色を楽しむことができます。地元産のコーヒーやパイナップルケーキを販売している店舗もあり、お土産選びにもぴったりです。周囲にはトイレなどの施設が整備されていないため、訪問前の準備が大切です。

写真撮影時のマナーと安全対策

写真撮影は自由に行えますが、線路には絶対に立ち入らないよう注意が必要です。また、駅周辺は観光地化が進んではいるものの、整備されていない自然の斜面や岩場が多いため、滑りやすい靴やアウトドア用の服装が望ましいです。ゴミは持ち帰る、音楽は控えめにするなど、基本的なマナーを守って訪れましょう。

まとめ
多良車站で「癒やし」と「感動」の絶景体験を

多良車站は単なる「停車しない駅」ではなく、そこには旅人の心を揺さぶるような風景と、地元住民のもてなしの心が息づいています。例えば、目の前に広がる雄大な太平洋の景色は、日常の喧騒を忘れさせてくれるほどのインパクトがあり、波の音や潮風に包まれるその瞬間は、まさに心が洗われるような体験です。駅自体に列車は停まらないものの、その静けさがまた特別な空間を生み出しており、「何もしない時間」の大切さを教えてくれる場所でもあります。

アクセスには多少の手間がかかるため、計画的な旅が必要ですが、それだけに到着した時の喜びはひとしおです。例えば、駅に至る道中で地元の人々と交わす何気ない会話や、周囲にある素朴な食堂で味わう家庭料理など、小さな発見がいくつも旅を彩ってくれます。フォトスポットとしての人気はもちろんのこと、台湾の自然の豊かさや文化の奥深さを実際に体感できるこの場所は、観光以上の価値を感じさせてくれることでしょう。

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