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ルソン島北部

フィリピン・ルソン島北部の南シナ海に面するビガン歴史地区は、16世紀後半にスペインに征服され植民地として発展した港町。商業、貿易の交易拠点として栄えた街は、フィリピンや中国の建築様式にスペインやラテンアメリカなどの影響を受けた建物が建ち並び、美しい風景を作り出しています。第2次世界大戦でフィリピンの古い街並みの多くが戦火に巻き込まれ消失した中で、唯一生き残ったビガン歴史地区を訪ねてみます。ルソン島北部の街ビガン(Vigan)は、フィリピンの首都マニラから北へ約400キロメートル、またはのルソン島北西端にあるラオアグ(ラワグ、Laoag)から南へ約100キロメートルの南シナ海に面する、人口5万人に満たない小さな街です。スペインの都市計画に基づいて碁盤目状に整備された石畳の通り沿いには、16世紀の古くて和洋中が織り交ざった建物が立ち並びます。1階部分はコロニアルな石造り、2階部分は障子のような引き窓が特徴的な木造建築、そして屋根は中国人が持ち込んだ瓦が使われています。バハイナバト様式と呼ばるこの造りは、先住民イロカノ人の高床式住居にヒントを得たスペイン人神父が、大雨や湿気、南国の暑さや地震にも耐えうる住宅を考案したといわれています。
窓の白い部分は、実は紙ではなくカピス貝でできています。
カスピ貝を薄く削ってはめ込んだ窓は、フィリピンを照りつける紫外線を和らげる効果があるのだとか。これもフィリピンの特徴的な様式なので、機会があればじっくりと鑑賞してみてください。白く光り輝く螺鈿の窓にうっとりしてしまうはずです。

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